No.11~12 謡曲春栄物語、和漢研譜

 No.11A 謡曲春栄物語   奈良大学博物館所蔵(N0013)
文化15年(1818)
巻:巻之三  丁付:十五、十六
縦18.5×横39.4×厚1.6cm

No.11B 謡曲春栄物語   個人所蔵
文化15年(1818)
半紙本1冊(欠4冊)

No.12 和漢硯譜   藤井文政堂所蔵(F0295)
寛政9年(1797)
巻:巻之一  丁付:一、二、三、四
縦22.0×横77.5×厚2.0cm

 展示No.10に見た真言密教関係書、占術書などと並んで藤井文政堂の出版活動を特徴づけるのは読本である。読本の板木は15作品、約70枚が現存している。展示No.11はその一例。展示No.12は日本・中国の硯を通覧した『和漢研譜』(『和漢硯譜』とも)。藤井文政堂は同書の板木を10枚所蔵しているが、竹苞書楼(佐々木惣四郎)旧蔵の板木の中にも同書の板木が6枚含まれている。特に天明8年(1788)の大火以降、複数の板元による共同出版形式である相合板が一般的となるが、版権を分割した場合には、その割合に応じて板木も分けて所有していたという実態を物語る資料である。竹苞書楼旧蔵の同書板木は展示No.13に展示した。