No.03 絵葉書「鉄眼版一切経版庫内版木の一部」

 No.03 絵葉書「鉄眼版一切経版庫内版木の一部」   個人所蔵

 展示品は、黄檗山宝蔵院に収まる一切経の板木の様子を写した戦前の絵葉書と思われる。これらの板木は鉄眼禅師により寛文9年(1669)~天和元年(1681)にかけて開板された。伝存する板木は6万枚以上あり、そのうちの大半は昭和32年(1957)年に重要文化財に指定されている。一般に、ほとんどが失われ、散逸が続いていると思われがちな板木であるが、実際にはまとまった形で板木を所蔵する機関は存外に多い。以下、本展覧会では、すでに調査に着手した現存コレクションを紹介しつつ、参考に資する質・量の板木が現存することを確認していきたい。