No.01~02 火鉢(正信偈自得解 板木)、未詳音曲集

No.01 火鉢(正信偈自得解 板木)   個人所蔵
縦34.2×横34.2×深さ23.5cm

No.02 未詳音曲集   個人所蔵
丁付:六十一、六十四、六十二、六十三
縦15.9×横59.0×厚1.7cm

 

 板木は道具としての役目を終えた後、その材質の良さから他の用途に転用される例も多かった。また、板木に施された細緻な彫りは賞翫の対象にもなった。展示No.01は、この二つの理由が組み合わさって角火鉢に姿を変えた例である。使われている板木は安永5年(1776)刊『正信偈自得解』の上巻十三~十六丁、下巻廾九~三十三丁の8丁分である。丁付の構成から、1枚の板の片面に2丁、表裏計4丁となる四丁張の板木二枚を使用したと思われるが詳細は未詳。展示No.02は板木の姿を留めているが、ネットオークションで競売されていたもの。近年、板木はばら売りされる傾向にあるが、それは現在も散逸が続いていることを示している。