No.15~16 閑田詠草、閑田次筆

No.15 閑田詠草   奈良大学博物館所蔵(T0211)
文政元年(1818)
巻:冬  丁付:五、六、八、七
縦17.5×横68.9×厚1.9cm

No.16A 閑田次筆   奈良大学博物館所蔵(T0357)
文化3年(1806)
巻:第二  丁付:(袋)、(題簽)、四十九、五十二終、刊記
縦20.6×横80.6×厚1.9cm

No.16B 閑田次筆   奈良大学永井研究室所蔵
文化3年(1806)
大本4冊

 佐々木惣四郎は、池大雅、上田秋成、畠中観斎、高芙蓉、松岡玄達、富士谷成章、藤貞幹、富岡鉄斎など、文人・知識人たちとの交流が代々あり、刊行書はもちろん、現存板木にもその特徴が表れている。展示No.15~16Aは、佐々木と交流が深かった伴蒿蹊の著作に関する板木である。展示No.15は蒿蹊の家集『閑田詠草』。展示No.16は蒿蹊の随筆『閑田次筆』で、『閑田耕筆』の続編にあたるが『閑田耕筆』の板木は戦後まもなく潰され、現存していない。展示No.16の板木には、本文末尾の空きスペースを利用して、袋・題簽・刊記を彫る常套的な板木の構成方法が良く表れている。伴蒿蹊と佐々木が世に送り出した傑作に『近世畸人伝』があるが、それについては展示No.17を参照されたい。