2016年8月に五条坂京焼登り窯(元・藤平陶芸登り窯)の発掘調査を行い、戦前まで存在した「西の窯」の基底部が残っていることを確認しました。その成果は2017年5月28日に日本考古学協会総会で報告しました。

しかし、2016年の調査トレンチが狭かったため、その延長を確認すべく、補足でボーリング調査を行いました。その結果、調査トレンチ外にも窯壁の基底部が続いている可能性が高くなりました。かつて京都一の規模を誇ると言われた「西の窯」の痕跡が、想像以上に地下に残っているようです。

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「西の窯」の補足調査にあわせて、残存している「東の窯」のオオゲタ(大型レンガ)の寸法を計測しました。「東の窯」は1968年に焼成を終え、それ以後の補修やオオゲタの入れ換えが行われていません。現在では製造されていない部材を使用していますが、複数の規格が確認されます。それらを上手く差配して組み換えているようです。

なお、通常は公開されていない本登り窯の調査にあたっては、昨年に引き続き、京都市教育委員会事務局総務部 教育環境整備室のお世話になりました。ありがとうございました。

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