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2008年07月12日

●植民地文化学会発表

本拠点のプロジェクトに関係するテーマで、下記の発表を行います。
 
・植民地文化学会研究発表会
日時:2008年7月12日(土)~13日(日)
場所:東京都江東区東大島文化センター 第1研究室
内容:「〈外地〉日本語文壇の形成と文学雑誌」楠井清文
 

2008年05月28日

●日本文学会大会発表

本学日本文学専攻の学会「立命館大学日本文学会」第52回大会で下記の発表を行います。
期日:6月8日(日)10:00~17:30
会場:立命館大学衣笠キャンパス 末川記念会館1F講義室(旧ホール)
 「外地」の読書空間と日本語文壇の形成
         ―朝鮮での日本語文学雑誌の刊行を中心に―  楠井清文
大会プログラムはこちら

2008年05月27日

●GCOEセミナー発表報告

本発表では、最初に「外地」文学研究で資料の共有化がいかに必要であるか述べ、現在作成中の『京城日報』文芸記事DBの概要について説明した。『京城日報』は日本統治期の「朝鮮」における文化動向を知る上で重要な資料であり、個々の記事検索・閲覧システムを作ることには意義がある。今回発表したデモ版DBは、ファイルメーカーで作成した記事目録と、PDF形式の記事画面を組み合わせたものである。発表者は記事の多様性を示して、文献としての面白さを強調した。その上で、ある程度の蓄積がなされた後で、他の文学雑誌の総目録などと連携した総合的文献DBを作りたいという構想を述べた。
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●GCOEセミナー発表

下記の内容で発表します。
.「外地日本語文学雑誌データベースについて」
About the database of the Japanese literature magazine published at the GAICHI (foreign land)
 楠井 清文 (ポストドクトラルフェロー / 日本文化研究班)
 
日時:2008年5月27日(火) 18:00~19:30(6限)
場所:【衣笠】立命館大学アート・リサーチセンター 多目的ルーム
 
【要 旨】
日本文化研究班木村研究室では、ⅰ)東アジアの日本近代文学研究との提携 ⅱ)外地の日本語文学に関する研究資料のデジタル化 の二つを活動目標としている。両者は別々のものではなく、東アジアの近代に共通する歴史として外地(植民地)の問題を考え、文学研究の立場からアプローチするものである。本プロジェクトでは、日本人が外地(朝鮮)で刊行した文学雑誌のデータベース作成を目指し、そのリスト化を進めている。また代表的な日本語新聞『京城日報』の文学関連記事索引を作成中である。これらは日本語文学研究の資料として有益だが、デジタル化による知見は、ここからどのような新しい展望を引き出すことができるだろうか。近代文学研究とデジタル・ヒューマニティーズの関連という問題も合わせて考えたい。

2007年11月07日

●火曜セミナー発表報告

第6回火曜セミナーの楠井による報告は、「外地」特に植民地時期の朝鮮における文化状況を、雑誌『国民文学』の分析から探るというものだった。報告の前半では、日本文化の浸透を、日本語教育の普及や内地からの雑誌移入量の増加という面から論じ、後半では「国民文学」という概念や文学者の活動に触れた。そして結論として雑誌研究の意義を強調し、今後の展開では日本語で刊行された雑誌の目録化とデータベース化を行いたいとした。

報告後のコメントでは、主に以下のような質問があった。
 ①当時日本の雑誌や大衆文化に親しんでいたのはどのような階層の人々か?
 ②朝鮮で日本語により刊行された雑誌には文学以外にどのようなものがあるか?
 ③データベース化とは具体的にどのような形態を考えているのか?
 ④文学以外のサブカルチャーに関する資料をどこまで取り入れるか?
 ⑤フルテキストで保存した場合、著作権の問題をどう処理するか?

これについて報告者は、以下のように応答した。
 ①全人口ではなく一部の階層だと考えられるが、その実態については調査中
 ②総督府関連の物、経済雑誌等の専門誌が多く存在。文学以外の芸術雑誌も視野に入れていきたい
 ③形態・目的など今後研究を進める中で具体化したい
 ④②とも関連するが、パフォーミングアーツなど大衆文化などの移入動向も参照したい
 ⑤③と関連させて検討
また、日本語雑誌の移入の増加に関して、実際の受容層は日本人ではないかという、資料の扱いに関する指摘もあった。

2007年11月06日

●GCOE火曜セミナー発表

木村研究室のPD楠井清文が発表します。
日時:11月6日(火) 18:00~
場所:アートリサーチセンター
発表タイトル:1940年代朝鮮の日本語小説研究
          ――雑誌『国民文学』の分析を中心に――
要旨:報告者はこれまで昭和の文学者の植民地や占領地体験を研究してきた。特に現地の人々に強制された日本語が、どのように自己表現の道具へ転用され、また逆に日本語を母語とする人々がそれをどう受けとめたのか、という相互影響に関心があった。本研究では、雑誌『国民文学』に掲載された日本・朝鮮の各文学者の小説を分析し、「日本語」「日本文化」の表象が1940年代の朝鮮で占めていた社会的位置を明らかにしたい。また現在では植民地文献の復刻・目録作成が進んでいる。これらはデータベース化されることで、容易に各地域との共同研究で活用される。本研究は、資料の共有化が開く展望についても探っていきたい。