2008年12月20日

じんもんこん2008

日時:2008年12月20日(土)・21日(日)
会場:筑波大学:つくばキャンパス 春日地区
(〒305-8550つくば市春日1-2)
主催:情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会
共催:筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科
後援:電子情報通信学会、日本図書館情報学会、日本行動計量学会、日本情報考古学会、情報メディア学会、情報知識学会、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会、日本アーカイブズ学会、記録管理学会、アート・ドキュメンテーション学会、日本統計学会、日本計算機統計学会

基調講演:
木下史青(東京国立博物館 学芸企画部企画課デザイン室長)

問合せ:じんもんこん2008実行委員会
Email:chs-08 あっと slis.tsukuba.ac.jp 「あっと」を置き換えて下さい。
住所:〒305-8550 つくば市春日1-2 筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科
FAX:029-859-1093

開催趣旨
人文科学とコンピュータ(CH)研究会では、人文科学情報の蓄積と利用の促進を目的として、資源共有化あるいはデジタルアーカイブを主要テーマとした「人文科学とコンピュータシンポジウム」を1999年より開催してきました。今日、資源共有化あるいはデジタルアーカイブという用語は一般化し、その意義や必要性が広く認知されておりますが、ここには本研究会の活動も大きく貢献しているものと自負しております。歴史学・人類学・民族学・文学・芸術学等、人文科学のあらゆる分野において、研究対象である資料のデジタル化・保存・流通・共有化のための多様な研究が活発に推進されています。その成果として、たとえば時空間データベースや資源共有化システムなどに代表されるように、資料とデジタル技術の融合によって、資料群の中に潜んでいた新たな事実や互いの関係・関連を見出す、あるいはその手助けをするという段階に到達しています。このことは、専門家だけでなく、一般の人々に対してもそれぞれの興味に応じて資料を活用できる道が拓かれたことを意味しています。
本シンポジウムの開催10周年の節目を迎えた今年度、われわれは「サービス指向のデジタル技術へ ~人文科学のポテンシャル~」をテーマとして「じんもんこん2008」を開催することとしました。サービス(service)という言葉を辞書で引くと「奉仕、役に立つこと、有用、助け、尽力、骨折り、…」と続きます。人文科学に潜在する可能性(ポテンシャル)をより深く広く探るためには、単なるデジタル技術の追求を越えて、人間と社会への貢献を見据えた「サービス」としての技術を強く目指すことがひとつの鍵となると考えます。資料の隠れた魅力を引き出し、人文科学のポテンシャルを存分に感じさせる研究成果の発表を大いに期待し、「人と社会へのサービス」としての研究について、本シンポジウムを通じて交流を深める予定です。
各分野からの積極的な論文発表とご参加をお願いいたします。


プログラム詳細
[12月20日(土)]
セッション1A: 人文系知識の概念モデル
9:40-11:20
1A-1 記号機能としてのアーカイブズ
 白須裕之(東京大学)
1A-2 博物館資料情報に関する業務過程の調査および要求仕様の考察
 鈴木小百合,松本浩一,宇陀則彦(筑波大学)
1A-3 データを生み出すデータのために
 守岡知彦(京都大学)
1A-4 「人文系データベース」における相互運用性をめぐる諸問題
 永崎研宣(山口県立大学),下田正弘(東京大学)

セッション1B: 文化情報の提供と支援
9:40-11:20
1B-1 デジタル版評論誌提供サービス構築プロジェクトへのシステムエンジニアリング手法の適応実験
 嶋津恵子,森田創平,森薫,奥村雄介(慶應義塾大学)
1B-2 特許情報教育のための教育支援ツール開発
 鈴木優,中平勝子,三上喜貴(長岡技術科学大学)
1B-3 芸術と先端技術によるコンテンツ表現教育へ試み -若冲が描く花と生き物たちの世界-
 金尚泰,若杉さえ子,西岡貞一(筑波大学)
1B-4 車椅子利用者のための文化財観光支援システムの提案
 米田信之,市川尚,窪田諭,阿部昭博(岩手県立大学)

企業展示紹介A,B
11:30-12:00
参加予定企業(A,B共通)
ナレッジシナジー,リコーソフトウェア,インフォコム,ニチマイ,ディスクロージャー・イノベーション,堀内カラー,科学技術振興機構,コンテンツ

基調講演「世界観の発見 ~文化財の魅力を引き出す展示デザイン~」
13:30-14:30
講演者:展示デザイナー 木下史青(東京国立博物館 学芸企画部企画課デザイン室長)

セッション2A: 文化情報の記述と検索
14:40-16:20
2A-1 ITMAによる文化情報学研究
 藤本悠(同志社大学)
2A-2 Subversionを用いた仏典テキスト校訂支援システム
 丁敏,村川猛彦,福岡整,中川優(和歌山大学)
2A-3 「道法會元」の符名における用語の統制
 早川美彩,松本浩一,宇陀則彦(筑波大学)
2A-4 木簡解読支援のための情報検索
 高倉純,Somayeh SHERINI,耒代誠仁,石川正敏,中川正樹(東京農工大学),馬場基,渡辺晃宏(奈良文化財研究所)

セッション2B: 地域情報の再現と利用
14:40-16:20
2B-1 Google Earthと『乾隆京城全図』による北京歴史空間の再現
 西村陽子,北本朝展(国立情報学研究所)
2B-2 京都の祇園祭をめぐる歴史的街なみの景観モデルとその活用 -新町通の過去・現在・未来の視覚化-
  瀬戸寿一,戸所泰子,矢野桂司,中谷友樹,桐村喬,近藤暁夫,十時惟友季(立命館大学)
2B-3 セレンディピティを誘発する地域資源グラフ
 高橋悠,中平勝子,三上喜貴(長岡技術科学大学)
2B-4 地方都市の観光コンテンツの発掘・生成と配信に関する研究
 谷口伸一(滋賀大学)

セッション3A: 言語と知識利用
16:30-18:10
3A-1 ネットワーク文化情報資源で活用する人名典拠情報とその共同構築のためのオントロジエディタ
 研谷紀夫(東京大学),川島隆徳(東京工業大学)
3A-2 古文書・古記録並列コーパスによる時代横断対訳辞書の構築
 木村文則,前田亮(立命館大学)
3A-3 多言語情報資源へのアクセス支援に関する研究
 新井嘉章(東京電機大学),福原知宏(東京大学),増田英孝(東京電機大学),中川裕志(東京大学)
3A-4 語彙の重要度に基づく文構造自動書き換えシステム-「やさしい日本語」への変換による読解支援-
 中尾桂子(大妻女子大学),森下淳也(神戸大学)

セッション3B: 画像資料と情報記述
16:30-18:10
3B-1 タイ王宮ワット・プラケオ回廊の画像データベース化について
 辻合秀一(富山大学)
3B-2 古典人物絵画検索・画像分析のためのナビゲーションとオントロジ
 相田満(国文学研究資料館)
3B-3 人類学研究支援環境 DWB を用いた調査資料の再構成 -多様な人類学的視点を内包するシステム構築-
 岩谷洋史(総合地球環境学研究所),川村清志(札幌大学),星野次郎,大崎雅一(姫路獨協大学),森下淳也(神戸大学)
3B-4 デジタル化による写真の史料学的研究の方法論的進展 -上田貞治郎写真コレクションのデータベース化を通じて-
 後藤真(花園大学),緒川直人(大阪市立大学)

[12月21日(日)]
セッション4A: データベースと解析
9:20-11:00
4A-1 歴史情報の視覚的表現を指向した歴史学習素材の作成支援プラットフォーム
 馬場裕子,永森光晴,杉本重雄(筑波大学)
4A-2 東アジア因明文献データベースの構想とプロトタイプ作成
 師茂樹(花園大学)
4A-3 「幕末維新期人口史料」データベースの構築
 川口洋,上原邦彦,日置慎治(帝塚山大学)
4A-4 ポテンシャルを用いた人口密度分布の解析
 梅川通久(京都大学)

セッション4B: 動作情報の利用
9:20-11:00
4B-1 能の稽古における第2次口頭性手段としてのモーションキャプチャ利用の可能性 
 高橋幸恵,八村広三郎(立命館大学)
4B-2 教育現場における舞踊の熟達化を支援するためのモーションキャプチャの活用
 佐藤克美(東北大学),海賀孝明(わらび座),渡部信一(東北大学)
4B-3 3DCGを用いた現代舞踊の創作トレーニング実験 ~モーションデータアーカイブのダンス創作への応用~
 曽我麻佐子(龍谷大学),海野敏(東洋大学),平山素子(筑波大学)
4B-4 時代劇剣戟アクションの基本動作への分解と組立 -映画制作支援のための可視化技術(その2)-
 天目隆平,岡本夏実,柴田史久,田村秀行(立命館大学)

ポスター&デモセッション:
11:10-12:10
P-1 スロヴェニアにおける資料デジタル化事情
 岡野裕行(相模女子大学),寒川フメリャク・クリスティーナ(リュブリャナ大学)
P-2 古地図研究支援システムの試作
 杉山和毅,時井真紀,松本紳(筑波大学)
P-3 人文系データベース横断検索のためのメタデータ自動マッピング 
 鳥羽拓志,木村文則,手塚太郎,前田亮(立命館大学)
P-4 動作の質評価指標と段階的評価法の提案
 渡沼玲史,入江寿弘,丸茂美惠子(日本大学)
P-5 歴史資料を対象にした観光的特徴評価手法の提案 ~歴史資料「梅田日記」を事例として~
 堀井洋,沢田史子,林正治,堀井美里,吉田武稔(北陸先端科学技術大学院大学)
P-6 インターネットオークションの史料取引情報の特徴分析
 寺澤正直(筑波大学)
P-7 日本舞踊の流派の特徴に対する検討
 三戸勇気,篠田之孝,渡沼玲史,丸茂美惠子(日本大学)
P-8 コンピュータによる訓点資料の整理について 
 岡本隆明(大谷大学)
P-9 情報格差観測のための分析システムの開発
 新井裕樹,中平勝子,三上喜貴(長岡技術科学大学)
D-1 「景観文字調査」のための調査結果分類・可視化ツールの試作
 田島孝治(東京農工大学),米田純子,高田智和(国立国語研究所)
D-2 風景画「近江八景」の図像研究における画像のデータベース化及びGoogle Earthの利用
 石立裕子,綿抜豊昭,時井真紀,松本紳(筑波大学)
D-3 6バンド分光画像による浮世絵のアーカイブと高精度色再現
 橋本勝(NTTデータ)

セッション5A: 文字・言語とモデル
13:40-15:45
5A-1 文字の指示概念に関する試論
 白須裕之(東京大学)
5A-2 福音書ソーシャルネットワークにおけるコミュニティ構造の考察
 三宅真紀(大阪大学)
5A-3 八代集シソーラスによる歌ことばの分析
 山元啓史(オーストラリア国立大学)
5A-4 オープンソース可視化ツールを用いた言語系統樹の図式表現
 呉靭,冨永理恵,乾秀行,杉井学,松野浩嗣(山口大学)
5A-5 人の捉える物語モデルの調査と表現
 藤井美緒,中山伸一,真栄城哲也(筑波大学)

セッション5B: 文化財の復元表現
13:40-15:45
5B-1 舞台小屋のCG復元とその応用 
 古川耕平,赤間亮(立命館大学),広瀬千紗子(同志社女子大学)
5B-2 西本願寺障壁画デジタルアーカイブによる三次元空間表現
 相井孝仁,森正和(龍谷大学),和田秀寿(本願寺史料研究所),岡田至弘(龍谷大学)
5B-3 古代ローマ期彫像の3次元形状解析による考古学調査
 比留間英,藤原研人,鎌倉真音(東京大学),高松淳(奈良先端科学技術大学院大学),芳賀京子(東北大学),池内克史(東京大学)
5B-4 コンテキストベース三次元木彫モデルの復元
 安田裕一郎,相井孝仁,高井智代(龍谷大学),信原耕太郎(キャドセンター),岡田至弘(龍谷大学)
5B-5 仮想文化財の皮膚触覚提示 
 尹新,野村和義,田中弘美(立命館大学)

パネルディスカッション「魅せるサービス、輝く資料」
16:00-17:20
コーディネーター
宇陀則彦(筑波大学)電子図書館システム
パネリスト
北本朝展(国立情報学研究所)デジタルシルクロード
杉原太郎(北陸先端科学技術大学院大学)文脈依存的ユーザ行動分析
曽我麻佐子(龍谷大学)バレエの振付シミュレーション
綿抜豊昭(筑波大学)図書学、図像学

表彰式、クロージング 

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