イントロダクション

カウボーイ・ソング

鉄道の歌

炭坑夫の歌

ゴールドラッシュの歌

船乗りと七つの海の歌

木こりの歌

まとめ

まとめ

パイオニア時代のアメリカのフォークソングには、ある共通点が見いだせます。あらゆる職種にわたって、次のような種類の歌がうたわれました。開拓に伴って現れた新種の仕事に希望と期待をよせる明るい歌、粗野で下品な生活をさげすんだり嘆いたり冷やかしたりして楽しむ歌、男に頼る女(と、愛される男)をセンチメンタルに歌い上げるもの、強い自我を持って人生を切り開く女(と、捨てられる男)をからかいながらもいきいきと歌うもの、夢と現実のギャップを表現する歌。歌う人々の視線はいつも近視眼的で、自分たちの生活に直接関わること以外に注意を向けませんが、不当な苦しみを受けた人や不運な人に対しては同情を惜しみません。一方で、差別的なことはユーモアの隅々にまで行き渡っています。アメリカのフォークソングは、この国が出来上がっていく途上の時代の激しさを移すとともに、そこに住む雑多な人々の心のドラマを表しているのです。