謡い物の歴史 2/4

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音曲芸能としての謡の始まり

装束を着けて舞台で演じる能は、平安・鎌倉時代の記録にも見えているが、謡だけを謡う音曲芸能としての演じ方は、能を将軍・大名など武士階級の上層部が後援するようになった能の大成期(十四世紀から十五世紀にかけての南北朝・室町初期)に、能役者が将軍・大名などに求められて(やしき)の座敷などで謡うようになったことに始まる。そのような場では、能一曲の謡ではなく、より短い「謡い物」と呼ばれる、謡のための曲が謡われた。その「謡」の作詞・作曲上で参照された先行芸能として、当時流行していた早歌(そうが)及び曲舞(くせまい)が挙げられる。