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たけ


画題

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解説

画題辞典

竹は真直にして節あるを尚ばれ、その姿容亦雅趣あるを喜ばれ、古来最も描かる、「風竹」といい、「修竹」といい或は石を配して「竹石」といい、蘭を配して「蘭竹」という、水墨を以て描くもの「墨竹」と呼び、「四君子」「歳寒三友」に於ても竹その一に居る、その他人物に配しては「竹林弾琴」「竹径高士」「竹渓六逸」「竹林七賢」等あり、山水画としては「江流竹幹」「万竿煙雨」の如き、又「一年三秀」「子孫保榮」の如き、文人画家の屡々試むる画題となす、尚各その条下を見るべし。

狩野山樂筆竹図襖絵(京都天珠院所蔵)、異様のものとしては浅野侯爵家に趙昌筆曲り竹あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

竹は禾本科に属する常緑植物で、日本をはじめ東洋の諸国から東印度、西印度、北アメリカ等に分布し、日本では到る処に見られるが、南部に多く北に少い、特長は地上と地下に二種の茎を有することで、地上の茎は真直に成育し地下の茎は横に伸びて這ふ、何れにも隆起した節を有し、地上茎は節と節との間が空虚になつてゐるが、地下茎にあつては此の空洞の部分が極めて少い、茎は一般に稈と呼んでゐるが竿とも書いてゐる、最も高いものは十間位になり周囲も三尺に達するものがあるといふが日本では見られない。

竹は総て群生する性状を有する、そこで此の群叢を竹叢又は竹薮といひ篁の文字をも用ひた、絵画では所謂竹林である。その繁殖は地下茎から芽を発し、これが成長するので、所謂筍である、併し時には竹に花の開くこともある、花は黄緑色で稲の穂に似た処があり、雄蕊が垂下する、そして結実し、此の実は食用に供せられ荒救用に充てられたこともある。伝説に従へば、此の実、霊鳥鳳凰の好んで食ふところといふのであるが、竹が花を開くと直ちに枯死してしまう、何故に開花するかといふと、これは外界の影響によることが多いのであるが、見方によつては既に古くなつて、地下茎が筍を生ずる勢ひがないためとも思はれる。

その種類は極めて多いが、日本に産する竹の種類を植物学上の名称によると、メダケ属、ナリヒラダケ属、トウチク属、カンチク属、ホウワウチク属、マダケ属、ヤダケ属、マチク属といふことになり、メダケ属は大部分日本に産する、併しこれがいろ/\の品種を生んで少からぬ種類に達してゐる、竹林は全国到る処にあつて日本独特の景観を呈し、春夏秋冬、それぞれの趣きがあり、古来これを山水画として描き、竹林山水等と称せられて居り、一本一竿、墨竹修竹朱竹などとして画かれてゐる場合も多く、年中行事として松と共に門に立てられてゐることは、今更記すまでもない、又、故事や熟語によつて画題となつてゐるものも極めて多く、『竹取物語』や『なよ竹物語』のやうに竹に関する物語もある。(其項竹取物語参照)

竹の名画として世に伝はるもの亦極めて多く、蘇東坡、文与可、檀芝瑞の竹は殊に有名であり、鄭板橋また竹を得意とする、我が国でも竹を画かぬ画人は恐らく無いといつてよからうし、雪村、三阿弥、光悦、大雅、蕪村、崋山、応挙などにはそれ/゙\名作が遺つてゐる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)