DH-JAC2009 第1回日本文化デジタル・ヒューマニティーズ国際シンポジウム

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略 歴

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エイブラハム・シュレイダー
Abraham Schroeder

ボストン美術館日本版画室リサーチ・アシスタント。
美術家としても活躍。

 2005年、タフツ大学にて修士(美術)を取得。2003〜2005年、ボストン美術館アジア・オセアニア・アフリカ美術部門でインターンを務めた後、現職。


■ 主な展覧会

2005 -Thesis Exhibition, Tufts University, Medford, MA
2004 -Body Modifications, The Artists Foundation, South Boston, MA
2001 -Thesis Exhibition, Amherst College, Amherst, MA
    グループ展:
2008 -Rockwell and the Shinjin, Museum of Fine Arts, Boston, MA
2007 -Beauty and the Bug, Pratt Museum, Homer, Alaska
2006 -PURE, Brighton Mills Shopping Plaza, Brighton, MA
2005 -F.E.A.R, For Embracing American Revolution, G.A.S.P, Brookline, MA
   -Alex Connor Curates, JP Art Market, Jamaia Plain, MA


■ コメント(セーラ・トンプソン氏と共同で)

 この画期的なシンポジウムに参加できることを大変うれしく思います。(ボストン美術館の場合のように)つい最近まで解決することが困難、または不可能であった問題を新技術の応用により解決することを試みている世界中の皆さんと、図録作りの経験を話し合うことを大いに期待しています。

要 旨


「ボストン美術館の日本版画アクセス&ドキュメンテーション・プロジェクト(JPADP)」

 ボストン美術館の日本版画コレクションは、およそ5万点にもおよび、日本国外では最大、世界でも有数のものである。コレクションは、初期仏教版画から現在活躍中の作家の作品まで擁する網羅的なものであるが、その主体は江戸時代の浮世絵である。コレクションの大部分は、明治時代に日本で収集されたものであるが、数があまりにも膨大なため、個々の作品の検索と、通常の形での(コレクション全体の)図録出版が困難であった。また、収蔵庫の状態も、現在の保管基準に達しない状態が続いた。
 こういった問題に対処するため、2005年1月、ボストン美術館は、オンライン公開のためのデジタル撮影・図録作成と、全コレクションの配置転換プロジェクトに着手した。撮影、配置転換、そして最も基本的な作品情報を含めたオンライン公開は、2010年中には完成の予定である。
 今回の発表の前半は、こういったボストン美術館特有の問題と、その解決プランを紹介し、発表後半は、プロジェクトの技術的な詳細と、プロジェクトを実際に施行したボストン美術館の館員とボランティア、また立命館大学をはじめとした研究機関からの研究員の、日々の仕事の流れに焦点を当てる。