B2-08 怪童力士喜見城滝之助

年代:嘉永7年(1854)11月
所蔵:小島貞二コレクション
資料no:kojSP03-085

 画像は嘉永7年(1854)11月場所のものである。西張出前頭に「駿州 喜見城滝之助 当十四才土俵入仕候」とある。幕末の一時期怪童力士が輩出したがこの喜見城滝之助もその一人である。『武江年表』では安政元年の項に「〇角力取富士島某門人、喜見城滝之助土俵入りをなす(十四歳、身のたけ五尺五寸、目方二十三貫目、駿州清水湊の産といふ。回向院冬の角力へ出る)」とある。また『武江年表』には記載が無いが翌年の安政2年2月場所は喜見城に加え神童子小太郎・柏嶽浪吉が怪童力士として張出前頭となっている。この時期は横綱秀ノ山が引退して横綱不在であったため、彩として巨人力士や怪童力士が登場した。なお、安政2年2月場所は番付は作られたが回向院がある本所の大火で場所は開催されなかった。喜見城は安政3年1月場所の番付まで名前があるがそれ以降は消えている。おそらく相撲をあきらめて国へ帰ったものと思われる。

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