C1.2.11.01 「忠臣蔵拾弐段続」「初段」「弐段目」「参段目」

絵師:五粽亭広貞
出版:嘉永元年(1848)
判型:大判錦絵4枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0335-01

 C1.2.11-01~04は、大判の画面を4つの方形の枠で区切り、1つに「忠臣蔵拾弐段続」のシリーズ・タイトル、残る3つに各段の場面や登場人物、象徴的な物を描く4枚揃のシリーズ。天保の改革の禁により、天保13年(1842)4月~弘化4年(1847)4月の間、役者絵の板行は中断していた。本シリーズは禁が解かれ役者絵が再開されはじめたころの作品。特定の上演に取材したものではなく、当代の人気役者を『仮名手本忠臣蔵』の登場人物に当てはめた見立絵で、役者名の記載はされていない。

 本図は、第1図で、大序から三段目を描き込んでいる。画面上部の大序「初段 鶴ヶ岡」は、師直にののしられた若狭之助が思わず刀に手をかけるところ。師直は4代目中村歌右衛門、若狭之助は初代実川(じつかわ)延三郎(えんざぶろう)の似顔である。下段右の「弐段目 もゝの井庭前のまつ」は、若狭之助から師直を討つ決意を聞かされた本蔵が、表向きの同意を示すために庭先の松の枝を切り落とす場面にちなみ、松の枝と本蔵の刀が描かれている。下段左の「参段目 鷺坂伴内」は、「裏門」で勘平を捕えようとする伴内と手下の奴たちを描いている。伴内は2代目中村友三の似顔になっている。

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