蘇州市滬劇団

蘇州市滬劇団 滬劇『秋海棠』戯単(説明書)

縦18.5cm 横13cm、8面

1960年代? 

資料番号 zgXD020-11

三須祐介所蔵

蘇州は上海から100kmほどの距離にありますが、滬劇の方言とは異なる地域です。蘇州市滬劇団は数少ない上海地域外の滬劇団ということができます。『蘇州市志』によると、蘇州市滬劇団は、1956年7月に迅民滬劇団と建新少壮滬劇団が合併して創設されました。1961年には大型現代戯『特派員』を上演、翌年には上海でも上演し好評を得たようです。文化大革命中には活動停止を余儀なくされ、役者も文工団や京劇団へ移籍、あるいは下放で農村に行ったり工場労働に従事するなどバラバラになってしまったようです。文革後、1978年に再建しますが、人員の老齢化、後継者不足、観客の減少で1981年11月には活動を停止しました。

上演期日が書いてありませんが、「演出(上演)前言」には、「百花斉放・百家争鳴」などの政策(56~57年)に呼応していること、上海市人民滬劇団に学んでいることを挙げているから、1960年前後ではないかと思われます。

表紙は色使いも鮮やかで、秋海棠と思しき人物と、秋海棠の葉がデザインされています。ここには主要なスタッフが書かれ、「美術設計(舞台設計)」として「姜雲峯」が特別に招かれていることがわかります。姜雲峯は上海市人民滬劇団の戯単にもスタッフとして名が挙げられています。数ページが綴じた形になっており、戯単というよりは説明書というべきかと思いますが、舞台写真、劇の梗概、そして歌詞の抜粋、配役表、楽隊、スタッフ一覧が掲載されています。

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