現代的な年画

年画は長い歴史を持つものの、年画の研究は新しい研究領域です。
封建社会においては、平民である年画画匠は美術業界の序列の最下位に位置し、年画も階級社会の重圧に屈していました。中華人民共和国成立してからも、民衆文学音楽舞踊戯曲などの民衆芸術に関する調査研究保護は続々と国家の科学研究項目に組み入れられましたが、年画研究はそこから排除され、年画研究の価値が認識されなかった時期がありました。

年画が研究対象とされなかった別の要因は年画の特性にもあると考えられます。年画はいったん貼り付けたら、朽ちれば剥がすものという元来の性格から、保存に対して注意が払われることは少なかったため、その蒐集は困難で、版木も長期にわたる戦争のため多くが逸散してしまったからです

幸いなことに、現代において伝統的な年画の保存、研究、復興の動きがあると同時に、オリジナルな現代的な年画を制作している作家もいます。後半においては楊家埠の伝統的な年画と対照的な現代の作家と制作風景と作品を紹介していきます。

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