多様性に富む蔵書
19.最善録

タイトル:最善録
資料番号: FB.326.33
 ロックハート卿の旧蔵書は多様性に富むことはすでに言及しましたが,中には「勧善書」というジャンルの書物も確認できます。「勧善書」とは明清にかけて,中国で流行した儒・道・仏の思想を集合した書物の総称で,単に「善書」とも呼びます。日本でも広く受容され,特に『太上感応篇』『陰隲文』『覚世真経』のことを「三聖書」とも呼ばれ,和解・和刻本も多く刊行されました。本書は1898年に香港の勧善堂から刊行されており,書肆の名前から察するには「善書」の出版を専門としており,流行の盛況を窺い知ることができます。

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