3.5.2.義経千本桜(歌舞伎)
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絵師:豊国〈1〉
判型:大判/錦絵
出版年月: 文化12年(1815) 江戸
作品名:「義経千本桜」
資料番号:arcUP4084~86 所蔵:立命館ARC『義経千本桜』は、人形浄瑠璃での成功を受けて、翌延享5年(1748)には早くも歌舞伎化された。江戸では同年5月に中村座で上演され、その後も二段目・三段目・四段目を中心に繰り返し上演された。人形浄瑠璃で人気を得た作品が、短期間のうちに歌舞伎化されたことからも、本作の流行の大きさがうかがえる。
人形浄瑠璃から歌舞伎化された作品は、義太夫狂言、または丸本狂言と呼ばれる。『義経千本桜』もその代表的な作品の一つであり、人形浄瑠璃の物語は、歌舞伎へ移される過程で新たな表現を獲得していった。さらに歌舞伎として繰り返し上演されるなかで、役者や地域ごとに独自の演出や型が生まれていく。例えば、すし屋のいがみの権太には江戸の音羽屋型と上方の型があり、その演じ方は大きく異なっている。
展示作品は、文化12年(1815)に刊行された役者絵である。人形浄瑠璃の物語として生まれた『義経千本桜』が歌舞伎として上演され、さらに人気役者を描く役者絵の題材ともなったことを示している。そこからは、一つの作品が異なる表現へと展開しながら受け継がれていく様子をうかがうことができる。(宮﨑・戸塚)
