3.5.3.超歌舞伎
-
-
作品名:超歌舞伎2022プログラム
出版:令和4年(2022)8月『義経千本桜』は、江戸時代に人形浄瑠璃から歌舞伎としても上演された後、現代においても新しいメディアと結びついて展開している。その例が、平成28年(2016)に初演された超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』である。超歌舞伎は、歌舞伎とICT技術を融合させた舞台であり、本作では歌舞伎俳優の中村獅童と初音ミクが共演した。
古典の『義経千本桜』では、狐忠信が親狐の皮で作られた「初音の鼓」を慕うことが重要な設定となっている。超歌舞伎では、この「初音」という言葉が、初音ミクと重なる。さらに、楽曲「千本桜」のイメージも加わり、古典歌舞伎の題材が現代のデジタル技術やポップカルチャーと結びついて再構成されたのである。
また、超歌舞伎では、映像技術やAR、生配信、視聴者のコメントなども演出に取り込まれている。令和2年(2020)の『夏祭版 今昔饗宴千本桜』では、無観客上演でありながら、インターネット配信を通じて多くの視聴者が参加し、コメントが舞台を盛り上げた。さらに令和7年(2025)には、大阪・関西万博で『今昔饗宴千本桜 Expo2025 ver.』が上演された。
このように『義経千本桜』は、人形浄瑠璃から歌舞伎へ、さらに超歌舞伎へと形を変えながら受け継がれてきた作品と言える。(宮﨑・戸塚)
