3.5.7.東海道四谷怪談(正本写)

判型:中本
資料名:浪花土産/東海道四ッ谷怪談 (なにわみやげ/とうかいどうよつやかいだん)
資料番号:shiBK03-0009-02 所蔵:立命館ARC(白樺文庫)

 歌舞伎で上演された『東海道四谷怪談』は、正本写という形でも出版された。正本写とは、上演された歌舞伎の内容をもとに、台本を小説風に綴り、挿絵を加えた読物である。人々が『東海道四谷怪談』を物語として楽しめるように作られていた。
 本作品も、歌舞伎の『東海道四谷怪談』をもとにした正本写である。画面には、戸板に打ち付けられた小平とお岩の姿が描かれており、歌舞伎の戸板返しの場面を読物の中に取り込んでいることが分かる。正本写では、舞台の場面が挿絵と文章によって読み物として再構成され、人々はそれを本として読むことで上演の様子を想像する手がかりとすることができた。ここから、歌舞伎として生まれた作品が、読み物として劇場の外へも広がっていく様子が見て取れる。歌舞伎で楽しまれた作品が、読み物としても楽しまれた代表的な例だと言える。(宮﨑・戸塚)

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