3.2.2.絵本番付・絵尽2

絵師:豊国〈3〉
判型:大判/錦絵
出版年月:元治元年(1864)
外題:艶姿花の十二支 さる若のひやうばん
資料番号:NDL-161-00-021 所蔵:国立国会図書館

 本作には、劇場の桟敷席で二人の女性が絵本番付を手に語り合う様子が描かれている。桟敷席は芝居茶屋を通じて利用する比較的高価な席であったことから、この絵本番付も芝居茶屋を介して手にしたものと考えられる。観客たちは番付を開きながら、舞台の展開や役者について語り合い、観劇そのものを楽しんでいた。
 また、絵本番付の役割は、劇場内だけにとどまらなかった。観客は観劇後、絵本番付を自宅へ持ち帰り、美しい挿絵を眺めながら芝居の余韻を味わっていたのである。さらに、それらは劇場へ行けなかった家族や知人への土産ともなり、番付を見せながら舞台の様子や役者の評判を語ることで、劇場の熱気は日常生活のなかへも広がっていった。(宮﨑・戸塚)

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