3.3.1.4.大首絵
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絵師:国貞〈1〉
判型:大判/錦絵
上演:天保2年(1831) 9月 江戸・河原崎座
外題:原伝授手習鑑 (すがわらでんじゅてならいかがみ)
配役:王女房千代 〈5〉瀬川 菊之丞
資料番号:arcUP5552 所蔵:立命館ARC大首絵とは、浮世絵版画の表現形式の一つで、役者の顔や上半身を大きく描いた作品を指す。「首」は「かしら」を意味し、役者の顔貌や表情に焦点を当てた形式である。顔だけを画面いっぱいに描いたものは、特に「大顔絵」と呼ばれることもある。
役者絵における大首絵は、安永年間(1772〜80)頃に成立したとされる。それまでの全身像中心の役者絵に対し、役者の顔立ちや表情をより詳細に見たいという観客の要望から生まれたもので、役者絵における写実化の流れを象徴する表現でもあった。無背景の大首絵は勝川春章・春好らによって早くから試みられ、天明8年から寛政元年頃の春好の役者絵によって形式が完成した。寛政期に入ると、寛政6年(1794)5月に東洲斎写楽が、背景に黒雲母を摺り込んだ大首絵28図を出版した。
本作は、初代歌川国貞の手による大判錦絵で、『菅原伝授手習鑑』の松王女房千代を演じる瀬川菊之丞を描いたものである。鏡の中に役者の上半身が大きく映り込む構図が特徴で、化粧を整えるため鏡に向かう役者の姿を想起させる、趣向に富んだ作品である。
ところで、本作と同シリーズと思われる作品が、本節冒頭で紹介した絵草紙屋の店先を描いた作品の中にも描き込まれている。どこに描かれているだろうか。ぜひ「3.3.1.1.役者絵」の項に戻り、探してみてほしい。(宮﨑・戸塚)
