3.2.4.役割番付
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判型:半紙本
上演:寛政2年(1790) 1月20日 江戸・市村座
外題:春錦伊達染曽我・在姿浄瑠璃世界
資料番号:arcBK02-0237-02 所蔵:立命館ARC絵本番付が物語の展開や名場面を視覚的に伝えるメディアであったのに対し、その興行に出演する役者たちの順位や外題、詳細な配役を一覧化したのが役割番付である。
役割番付の最大の特徴は、一枚目の表裏に一座の主要役者たちの役者名と定紋を升目状に掲げている点にあり、このことから「紋番付」とも称された。二枚目には狂言の大名題・小名題・浄瑠璃名題などが記され、三枚目以降には役柄とそれを演じる役者を示す「役人替名」が上下二段組で掲載される。こうした基本形式は少なくとも宝永頃までには成立していたと考えられ、その後も江戸歌舞伎の伝統を重んじる風潮のなかで、明治期に至るまで大きく変化することはなかった。
また、役割番付における座頭や中軸、女方、新規加入の役者などの並び順は、単なる名簿ではなく、一座内の厳格な階級秩序や役者の格付を視覚的に示すものであった。文字の大きさや太さにも細かな規則が存在し、観客はこれを見ることで、舞台上の役者の地位や劇団内の力関係を読み取っていたのである。
なお、辻番付が興行の宣伝媒体として定着する以前には、役割番付そのものが興行情報を伝える主要なメディアであった。ロングラン興行が一般化すると、版木の一部を差し替えて内容を更新するなど、上演内容の変化へ対応する工夫も行われた。(宮﨑・戸塚)
