お詫び
諸事情により、3ヶ月近く更新をしておりませんでしたが、
今月中か来月には再開しますので
今後ともよろしくお願いします。
お知らせが遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
諸事情により、3ヶ月近く更新をしておりませんでしたが、
今月中か来月には再開しますので
今後ともよろしくお願いします。
お知らせが遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
7日の日記にk.さんからいただいたコメントをもとに
方眼紙を、とりあえずの3つの方法で乾燥させて、それぞれの収縮を見ました。
①フェルトに挟んで置く
②フェルトに挟み、中性紙ボードの上から重しをのせる
③再生紙ボードの上から重しをのせる
重しは1㎏。今回も、直径方向220mmの辺を測りました。
繕いをした後、皺になったものは②の方法で乾燥させています。
ちなみに以前は③の方法でした。
今日は、大学図書館の書庫を見学させてもらいました。
1回生のときにも見学させていただいたことがあるんですが、
そのときは「古い本がたくさん!すごいなー」といった感想しか持ちませんでした。
しかし今日は違う!
くわしいことは書きませんが、準貴重図書の保存管理の難しさを感じました。
一つ気になったのが、図書館とは別の文献資料室にあった黒い函。
素材はわからなかった(ツルツルしています)のですが、保存にもいいそうです。
初めてみましたが、堅くて、帙より安そうで、なんだかよさそう。
業界ではよく使われているのかな?
紙は水に濡れると伸びます。
それは、繊維そのものが伸びていることとが考えられます。
また、離解の過程からわかるように、繊維同士の結合が弱まって、
隙間が広がることも考えられます。
では繊維そのものは、どのように伸びるのか?
縦に伸びるの?水を含んだ分直径が大きくなって、横に伸びるの?
これを見たいけれど、それが可能な機材がない…。
そこで方眼紙、和紙、レーヨン紙、濾紙など5種類を用意し、
紙の縦と横を150mmに決めて、大まかに見てみます。
紙は2次元のメディアだと言われますが、
本当にそうでしょうか?
自分がミクロマンより小さな人だとして、浮世絵の断面を見ます。
紙自体に厚みがあり、表面はボコボコ、山脈のようになっているでしょう。
浮世絵を形づくるもの、たとえば顔料、染料、墨等だけが2次元の情報だとしても、
それらが面でのっているはずはなく、ちゃんと厚みがあります。
さらにその上に汚れなんかもあったりしたら、これはもう立派な3次元!
そういう目で見ていくと、紙も喜んでくれるかも…
離解した後の繊維がうすい墨の色をしていることから
墨がどのように紙にくっついているのか不思議に思いました。
自筆の書の表装をするとき、表具やさんに
「ちゃんと墨すったね?墨液で書いたものだったら滲むことがあるからね」
と言われ、それまで墨液は墨+水だと思っていた私は、
墨に違いがあることを知ったのでした。
では版本の墨は何からできている??
まず墨の成分から調べました。
どちらが水だけで離解したものかわかりますよね?
字がそのまま残っているのが見えます。
でも今の再生紙は、字は残っていないし、こんなに黒ずんでいない。
どうやっているんだろう??
今日は、補修作業の撮影がありました。
今春の入学式にアート・リサーチセンターの紹介ビデオが流れるそうですが、
何秒か私たちの補修の様子も出るみたいです。
補修のアルバイトは、私を含めて全部で4名います。
皆女の子で、和気藹々とやっています。
外部から見学に来られた方が、よく技術の細かさに「すごいねー」と感心されますが、
実は、この補修作業はすごく簡単です。
糊や水の調節さえ間違えなければ、誰にでもできます。
(向き・不向きはあるかもしれませんが)
「すごい」のは、こうやって、普通だったら触ることの出来ない貴重書を
私たち学生が補修できる環境があることだと思います。
研究のためのデジタルアーカイブの全行程に、学生が携わることができるのが
アート・リサーチセンターのいいところ。