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第15回 拠点セミナー
2015年1月 6日(火)

1. 人文系のデジタル化を対象とした多言語・異種データベースの横断検索研究
 講師: ビルゲサイハン・バトジャルガル(衣笠総合研究機構 専門研究員)

2. 「モダン日本」における都市の演劇性 ―銀座とモダン・ガールを中心にして―
 講師: サンドラ・シャール(ストラスブール大学・日本学科 学科長)

2015年1月6日(火) 18:00-19:30
【衣笠】立命館大学アート・リサーチセンター2F 多目的ルーム
参加無料(予約不要)


「「モダン日本」における都市の演劇性―銀座とモダン・ガールを中心にして―」概要

〈Théâtralité(演劇性)〉というフランス語の言葉の語源は、19世紀半ばに遡るとされる。この概念は、元来、筋立てに加え、音楽や舞台装置などを含めた演劇の特性及びその美学的性格を指していた。しかし、この語は、現在では、演劇と現実世界の間の境界を超え、人間のあらゆる活動空間と人間の実践的行為を分析する際に使われるようになっている。

 「都市」における「演劇性」は、都市を一つの舞台と捉え、人々をそのなかの登場人物として見立てることによって成立する。1990年代以降、ヨーロッパなどの文化社会学は、〈上演論的な転換期〉(performative turn)を迎えている。これは、特定のトポスにおいて、当事者(=登場人物)の日常生活に生かしていく実践から発する演劇性や上演的性格を前面に出すパラダイムシフトを指している。「上演論的」パースペクティヴを提唱し、日本の大都会の盛り場における日常の出来事を中心に考察した日本の社会学者・吉見俊哉は、こうした流れに属すると言えるだろう。

 吉見は、都市を「読まれるべきテクスト」として捉え、この都市というテクストにあっては、テクストの読者とテクストの登場人物を区別することができないと主張する。彼によれば、人々は、単なる読者として「外側から」都市を読んでいるのではなく、 都市のなかに入って「内側から」読んでいる当事者なのである。そうすると、さまざまな人々が行きかう都市空間は、人々が新しい主体に扮することができる一種の舞台となるのである。

 本発表は、吉見の上演論的」パースペクティヴという視座を踏まえ、第二次世界大戦以前のモダニズムとしての都市のドラマテゥルギーと女性の「テアトラリテ」(演劇性)の一側面を明らかにすることを目的とする。ここでは、当時のジャーナリストや評論家などによる記事や評論等を詳細に分析することで、関東大震災後の銀座という盛り場の舞台の中で発揮されたモダン・ガールの「テアトラリテ」の諸相を考察したい。


※配布資料は開催当日午後より下記のURLからご覧いただけます(期間限定)。
https://www.arc.ritsumei.ac.jp/archive01/jimu/newseminar/haifu-index.html


※一般の方もインターネットでご参加いただけます。










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