伊勢型紙とその技法

型紙とは
10.02.16
伊勢型紙とその技法

 小紋や浴衣、友禅などの着物の染色のために用いられた「染の型紙」のことです。大柄な文様から、精緻な小紋まで多種多様な文様が型紙に表現されました。この背景には、型彫師の高い技術とそれを支える道具、質の高い地紙が生産されていたことを忘れてはなりません。
また、本来型染ではない絣や絞りも型染で生産されました。先人の意匠や色に対するこだわりが見えてきます。

 


型紙は美濃紙を柿渋で貼り合わせた地紙に、専用の彫刻刀で様々な文様を彫り抜いていきます。「伊勢型紙」の発生については諸説ありますが、江戸 時代後半には型染めの最盛期を迎えました。特に紀伊藩の庇護を受けた伊勢国の白子村、寺家地区(現在の三重県鈴鹿市白子・寺家地区)は、型紙の販売・流通 をほぼ独占し、型紙を彫る型彫師が集中していたと言われています。型彫師の高い技術により精緻で美しい文様や様々な意匠が生み出され、今日に至るまで高い 技術と伝統が継承されてきました。
昭和30(1955)年には型彫、糸入れの六名が「重要無形文化財保持者(人間国宝)」に認定さ れています。また、平成5(1993)年には「伊勢型紙技術保存会」が保持団体としての認定を受け、伊勢型紙の技術の継承と発展に尽力しています。

 

型紙とは
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