おおざつまぶし
歌舞伎で「時代だんまり」や荒事を演ずる時、浅黄幕の前で、唄い手が立って正本を片手にもち、三味線弾きが白木の台に片足をかけて豪壮に演奏するが、これはもと薩摩外記の弟子の大薩摩主膳太夫が享保(1720)頃にはじめた江戸の浄瑠璃であって、のちに家元が絶えてからは長唄の中に加えられ、長唄の人が大薩摩の名前を名乗って今日のような演奏をするようになった。