「たぬき」

曲名:「たぬき」 
解説者:久保田敏子 
演奏者:菊原光治、菊央雄司 

(解説)
物語を聴かせることに主眼を置かれ、狂言風の語り出しや三味線で擬音を表現している。半即興の座興であり、入れ手、盛り込み自由。物語の描写を音と語りでどのように表現するかが聴き所。

「打盤」と「横槌」の打合せ

曲名:「打盤」と「横槌」の打合せ 
解説者:久保田敏子 
演奏者:菊原光治+菊央雄司 

(解説)
「異曲打ち合せ」といい、二人で別々の曲を合わせて弾く。奏者は聴きながら、取られずに弾く。聴者はステレオを楽しむ。

「万歳」

曲名:「万歳」 
解説者:久保田敏子 
演奏者:一の糸:菊央雄司、二の糸:菊原光治、三の糸:菊萌文子 

(解説)
「糸回し」と呼ばれ、奏者が三味線の特定の一弦だけを受け持って、その弦で弾くべき音のみ演奏。余興と腕磨きを兼ねた一種の曲弾。この演奏でははまず始めに菊原氏が一人で弾き、後に三人で糸回しを行っている。

「越後獅子」

曲名:「越後獅子」 
解説者:久保田敏子 
演奏者:三味線本手:菊原光治、三味線替手:菊央雄司、筝:菊萌文子 

(解説)
この曲は「手事物」と呼ばれ、三弦(三味線)と筝のやり取りの技巧を楽しんだもの。歌詞には洒落や暗喩が盛り込まれている。

「八島」

曲名:「八島」 
解説者:久保田敏子 
演奏者:菊原光治 

(解説)
地歌はコラボレーションのはしりであり、芝居歌・長唄・浄瑠璃などを座敷歌にして歌うものもある。役人接待の際は能の歌詞などを盛り込んでいたこともあるとされ、この曲は能の「八島」を盛り込んでいる。曲調を変えることで、元々の曲の位の高さが表されていた。

「ゆき」

曲名:「ゆき」 
解説者:久保田敏子 
演奏者:三味線:菊原光治、胡弓:菊央雄司 

(解説)
地歌は社会の潤滑油となり、芸妓・法師・市井の粋人と共に楽しむ。素人の作詞・座敷舞の考案。凝縮された美を奏でる。この曲は流石庵羽積作詞・峰崎匂当が作曲。天明期(1780年代)の作品。胡弓と共に演奏される。

「早船」第9・10歌

曲名:「早船」第9・10歌 
解説者:久保田敏子 
演奏者:菊原光治 

(解説)
合の手挿入→手事への萌芽・異曲打合せ「乱後夜」+「晴嵐」・早弾きなど。この曲は早弾き・早口言葉などを盛り込む。どれだけ速く弾けるかというのも楽しみの一つ。

「下総」第5歌

曲名:「下総」第5歌 
解説者:久保田敏子 
演奏者:菊原光治 

(解説)
手法の発展 「本手」→「破手」。破手の手法を盛り込んだ演奏。この曲の歌詞にはサンタマリアなど、当時の政治情勢から見ればややドキッとするような揶揄表現を含む。

「浮世組」第5歌

曲名:「浮世組」第5歌 
解説者:久保田敏子 
演奏者:菊原光治 

(解説)
初期の三味線音楽「本手」、この曲では歌詞を深読みをすると思わずニヤッとするような暗喩を盛り込んでいる。

カテゴリー

落語 [1]
邦楽 [1]