B5.4 大阪のスパースター現る.

作品名:「大阪芝居報知第四号附録」「大石内蔵之助 中村鴈次郎」
絵師:貞信〈2〉
判型:大判錦絵
出版:明治32年(1899)3月 
所蔵:立命館ARC(arcUP8108)

「大阪芝居報知」は、この3月に創刊されたもので、四号の付録が本図である。
中村鴈治郞は、実川延若の弟子となり、明治十年になって実父中村翫雀の後継人として認められ中村鴈治郞を名乗る。以降頭角を現すが、10年代には、中村宗十郎の支援を受け、また明治23年には、京都で九代目団十郎の相手を勤めるなどし、この頃からは三代目片岡我当(〈11〉片岡仁左衛門)と関西歌舞伎の双璧として活躍、本作の明治32年頃には関西の大立者となっていた。明治42年以降、我当が東京に移ってからは、大阪唯一のトップスターとなり、昭和10年(1935)になくなるまで、関西に向かう者のない役者であった。途中、松竹の白井松次郎と提携し、松竹の大阪制覇、東京進出に力を貸した。(a)