B1.3 芝居初日を伝える.

作品名:「明治八年 大阪錦絵新聞」「第十一号」
絵師:芳滝
判型:中判錦絵
出版:明治8年(1875) 石川屋和助板
所蔵:立命館ARC(arcUP7223)

中村宗十郎が、帰阪。3月の大阪中芝居にて初日が開いたことを伝える錦絵新聞。宗十郎は、田舎廻りの役者の出だが中村翫雀の門に入り、また中村雀右衛門の庇護を受けてめきめきと力をつけ、明治7年には中座の座頭となっていた。明治9年からは5年間東京で活動し、九代目団十郎と人気を争ったほどの役者で、実川延若とならび大阪の劇界を牽引した。(a)

記事本文:

大敵不可恐 大日本演劇第一等 方今俳優之長者 小敵不可侮」「近年伎芸に長じたる人財にとぼしきより一両年前。其業修行のため東上せし俳優中村宗十良を。迎て一劇場を。興行せんと思ひ立たる人ありしより事を起し。種々議論を。生じ。開業もやゝ延引に及しかども。不日。事済して初日を出したり櫓町の景況。近年稀にして。数本の幟りはヒイキの風に。ひるがへりて。行人の眼を驚かし。遣はし物は。両側に嵩くして道路を狭む。前狂言は宇都宮手斧始。切は開花春東京新聞と題して。見る人に勧懲をさとせり。方今の気運に叶ひて。頗る大入をなせり。コハ俳優の勉強に出るといへども。また弱きを救ふ浪花男の気性より。いづると。いはずるべからず 応需 九化筆記」

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