【画中文字翻刻】
義経主従吉のゝ山中に分入しが 落人の身て女を具し行んは 世の人口にもあししと 静御ぜんに子細を語り かたみの品与へ給へば しづかはなく/\立わかれ ならはぬ山路に行悩み 降積雪にこゞへつゝ たつきもしらぬ深山路を 麓の方へとたどりける
吉野山の悪僧ばら 義経を討捕んと大勢にてせめよせければ 佐藤忠信は君に代りてふみ止り 九郎義経と名乗て 只一人にて多勢を切ちらし 其上横川のかくはんといふ剛勇の悪僧とたゝかひ ついにかくはんを討捕ける
【参考文献】
島津久基『義経伝説と文学』大学堂書店 1935年
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