C3-2 「能楽図絵 大江山」

資料名 : 「能楽図絵 大江山」
作者 : 月岡耕漁
判型 : 大判多色摺
年代 : 明治33年 (1900)
資料番号 : arcUP1019

 「能楽百番」と同じく耕漁による5帖1組、全250図からなる能絵の揃物で、本作では能「大江山」の後シテを描く。一畳台と呼ばれる台の上に大宮という作り物を載せて童子の寝所を表現し、熨斗目を被いた赤頭の恐ろしい形相をした鬼が現れ、「情なしとよ客僧達。偽りあらじといひつるに。鬼神に横道なきものを」と頼光らに怒り狂う場面である。画面右上のコマ絵には、「古図大江山」として山伏姿の一行と童子が対面する場面を描き、「既にこの夜も更け方の 空なほくらき鬼城 鉄の戸びらをおしひらき...」と謡曲の詞章が添えられる。後場では、強烈な怒りを表現する男の鬼の面である「」をかけ、本作欄外にも「太夫面 前は童面 後しかみの類」と記されている。
 能「大江山」は応永34年(1427)の番組にも「酒天童子」として曲名が見られ、世阿弥が生存していた時代から存在していた古曲であった。室町時代の演能記録はわずか3例のみで、「大江山」が人気曲としての地位を確立してゆくのは江戸時代前期からである。(I)

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