6.3 ひらがな盛衰記(nakai1518-02)おうむ石

中村座、文化9(1812)年

おうむ石は、歌舞伎のせりふを抜粋した小冊子で、声色の練習等のために使われ、公演ごとに売り出された。時代は江戸時代後期から明治初期である。前項の「せりふ正本」との違いは、声色のための注記があることである。

 当文庫のおうむ石は426点で、文化6(1809)年~明治171884)年のものである。購入者が保存するという意識で刊行されたものが少ないようで、外題・劇場名・公演年月がそろっ書かれていものは少なく、表紙の絵師の名前しか分からないものが多い。絵師は、三代豊国・芳幾等、当時の浮世絵師である。資料番号は、nakai1511-01からnakai1548で、子番号については前項と同じある。画像は、前章で採用した「ひらがな盛衰記」にした。