5.2 ひらがな盛衰紀 (nakai0056)
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5段、7行本
文耕堂(生没年未詳)、三好松洛(生没年未詳)・浅田可敬(生没年未詳)、竹田小出雲(二世竹田出雲1691~1756)・千前軒初世竹田出雲(?~1747)合作、元文4(1739)年、 竹本座初演、「翻刻」『浄瑠璃 上』 日本古典文学大系51 (岩波書店 1960)
近松門左衛門や紀海音(1663~1742)は、一人で一つの作品を書き上げているが、これは5人の合作である。以降の作品も合作が多い。
題名の由来は『源平盛衰記』を平易にしたものという意味であるという。源平盛衰記は、48巻でかなり長編であるが、本書はさほど長くない。木曾義仲と巴御前、梶原源太景季(源氏の武将)などがでてくる。
静岡県掛川市の観泉寺に「無間の鐘」の伝説があり、そこの鐘をつくと現世では金持ちになるが、来世では無間の地獄に落ちるというものである。歌舞伎にこの話が取り入れられ、鐘が手水鉢になっている。本作では、この話が4段にでてくる。