4.3 千紅万紫(nakai0802)狂歌・狂文

中本 1冊、
蜀山人(大田南畝)(1749~1823)作、
文化14(1817)年刊、
翻刻 『大田南畝全集1』(岩波書店、1985)p217

 天明期には「四方赤良」として狂歌界を風靡した大田南畝であったが、幕臣であったため、「寬成の改革」を機に狂歌をやめた。享和元(18001)年大坂銅座出役を命じられ、約1年間大阪に滞在する。その間、文化人との交わりのなかで狂歌を再開し、「蜀山人」と号する。

 本書の冒頭に、「六十二になりけるとしのはじめによみける」とある。子息が病廃して仕官できないため、南畝は70歳過ぎても、役人として勤めていた。