4.1 家つと(正編 nakai0372 、続編 nakai0373)

油煙斎貞柳(1654~1734)作、正編
享保14(1729)年刊、続編 享保16(1731)年以降刊、半紙本 各1冊、

「翻刻」 『狂歌大観』 狂歌大観刊行会 (明治書院、1983)、

正編 p585、続編 p684

 題名のなかの「つと」は、「旅先や出先などから携えて返り、人に贈ったりするみやげもの」(部分略)とある。(『日本国語大辞典』)

 油煙斎貞柳は、栗柯亭木端など多くの弟子を育てた。正編は四季・無常など10に分類し、230首ほどを掲載されている。

 続編には、狂歌二聖として、建仁寺雄長老と豊蔵坊信海の狂歌とその挿絵が示されている。建仁寺雄長老は『日本古典文学大辞典』では、「英甫永雄」(1547~1602)で立項され、著作として『雄長老詠百首』(天正17(1589)年刊がある。豊蔵坊信海(1626~1688)には、『狂歌鳩の杖』(享保14(1729)年刊(nakai0389)がある。また、狂歌六歌仙として、松永貞徳・半井卜養・宮川尼・黒田月洞軒・生白堂行風・油煙斎貞柳をあげ、狂歌と挿絵が示されている。四季等と分類して掲載されている狂歌は、200首あまりである。