3.4 犬夷評判記(nakai0237)読本

横本  3巻3冊
三枝園(殿村安守)(1779~1847)批評、滝沢馬琴(1767~1848)答述、擽亭琴魚(1788~1831)校訂、文政元(1818)年刊

「翻刻」 『徳川文芸類従 12』 (国書刊行会、1970)

 滝沢馬琴作 『南総里見八犬伝』(3)(9輯、98巻、106冊、文化11(1814)年~天保12(1841)刊)と『朝夷巡島記』(4)(nakai0239)(8編、40巻。初編~6編まで 滝沢馬琴作 文化12(1815)~文政10(1827)刊。7・8編、松亭金水作、安政2(1855)~安政7(1860)年刊)の批評と答述である。『八犬伝』の初輯と2輯(各5巻)および『巡島記』の初編と2編(各5巻)を役者評判記風にまとめたものである。

 当文庫には、本書の写本(nakai0238)がある。その奥書に、「この書もと饗庭篁村氏の珍蔵なりしを、坪内逍遙氏謄し、そを又市島春城氏写す(中略)明治三十五年八月 写生春浦」とある。坪内逍遙(1859~1935)は、シェークスピアの翻訳で知られ、『小説神髄』という評論、『当世書生気質』という小説等がある。逍遙がこれを書写しているということに興味がある。