3.3 天狗髑髏鑒定縁起(nakai1198)滑稽本
てんぐされこうべめききえんぎ

滑稽本
風来山人(平賀源内、1728~79)作、明和07(1770)年刊、 小本 1冊、

「翻刻」 『風来山人集』 日本古典文学大系 55 (岩波書店、1961)

 滑稽本について『日本国語大辞典』の記述は、「江戸後期に盛行した小説の一つ。滑稽味を主眼とし、題材を日常一般の庶民生活に求めたもの。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」や、式亭三馬の「浮世風呂」・「浮世床」などが代表作」(浜田啓介記)とある。

平賀源内は、讃岐高松藩の下級武士の家に生まれ、本草学を学んだが、後に談義本作家・浄瑠璃作家等として活躍、その伝記は複雑である。『風来山人集』の解説または『日本古典文学大辞典』等の「平賀源内」の項の記述が参考になる。

 本書は、風来六部集(2)のなかの1点で、源内門人の大場豊水が「天狗の髑髏と称するものの鑑定を医家・本草家に求めたが、満足な答えがなかったことをののしったもの」である。