3.2 通言総籬(nakai0813)洒落本
つうげんそうまがき

小本 1冊
山東京伝(1761~1816)作、天明7(1787)年刊、「翻刻」『黄表紙洒落本集』

 日本古典文学大系 59(岩波書店、1958)

 洒落本について、『日本古典文学大辞典』の記述は下記の通りである。(中野三敏記)

近世小説の一様式。近世中期から後期にかけての戯作の代表的一ジャンル。(中略)取材対象は遊里を中心として世相一般に及び、専ら当世風俗をうがつ。「うがち」の目的は批判諷刺にあるのではなく、滑稽にある。(中略)享保(1716~1736)の中頃から天保・弘化(1830~1848)までをその存在期間とすることができようが、それを初期・中期・後期の三期に分けて見るのが適当であろう。(後略)(うがち=一般に気づかれていない裏の事情や細かい事実。(日本国語大辞典)(1))

 総籬は吉原の最高の格式の遊女屋の称で、題名の意味は、最新の通言を以て総籬を描くということである。梗概は『日本古典文学大辞典』に示されている。