2.3 金々先生造花夢(nakai0134)黄表紙
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山東京伝(1761~1816)作、寛政06(1794)年刊、小本 3巻3冊
「翻刻」 『黄表紙廿五種』 日本名著全集 第11巻 (日本名著全集刊行会、1926)
黄表紙は、黄色の表紙で、内容はしゃれ、滑稽、風刺をおりまぜた大人向きの絵入り小説である。小本で1冊5丁からなり2・3冊で一部とした。黄表紙の始まりは、恋川春町(1744~1789)作の『金々先生栄花夢』 (安永4(1745)年刊、nakai3520)とされている。黄表紙についての解説には、宇田敏彦氏(4)のものがある。『造花夢』の角書に「栄花後日話」と書かれいるが、2点の話の内容に 関連は感じられない。寬成の改革(天明7(1787)年~寬成6(1793)年)によって、出版物は制限を受けた。そのため、内容を変えざるを得なかった可能性がある。京伝は、寬成3(1791)年に洒落本が禁令を犯したということで、手鎖50日の処分をうけている。これについては、井上ひさしの『手鎖心中』(5)という小説がある。