1.1 信州地震(nakai0728)

叢書『乾坤叢書』第35巻

 本書は、弘化4(1847)年3月24日に信州北部で起こった地震についてである。当時、善光寺はご開帳で大勢の参詣者があり、被害が大きかったとされ、俗に「善光寺地震」といわれている。『理科年表』(1)によると、この地震のマグニチュードはM7.6であり、平成7(1995)年1月17日の「阪神・淡路大地震」は、M7.3である。地震の規模を表すマグニチュードでみる限り、阪神淡路大震災とほぼ同じ規模であるといえる。

 この史料には、たまたまこの地にいた飛脚・旅人の証言、村人・村役人等の記録、各藩から幕府勘定方への報告等が掲載されている。死者の数や倒壊した家の数、また山崩れによる犀(佐井)川のせき止めおよび後日の崩壊による被害、各所の火災等の被害の記載がある。死者の数等については、記録によってまちまちである。