A1.1勝川春章

吾嬬森栄楠 篠塚伊賀守 〈9〉市村 羽左衛門
絵師:勝川春章
判型:細判錦絵
出版:安永8年(1779)
所蔵:立命館大学ARC 作品番号:arcUP3152

勝川春章は18世紀後半に活躍した浮世絵師です。春章は人気の歌舞伎役者を多く描きました。彼は役者の顔を似顔で描き、大首絵や役者の日常姿絵など、贔屓の客に喜ばれる手法を多く確立します。それは役者絵作画の基本となり、後の浮世絵師達にも多大な影響を与えました。春章が本格的に作画を開始した明和期(1764~1772年)には多色刷りの木版画である「錦絵」が誕生し、美しい色彩の元で役者の姿が描けるようになります。贔屓の役者が似顔で、美しい色彩によって描かれたことで、そのような絵が人気を呼んだことは想像に難くありません。多才な春章の門下には春好、春英など人気絵師が出て活躍し、勝川派は浮世絵界で大きな勢力を誇りました。(戸)