G06最初の演劇雑誌

「歌舞伎新報」
編者:歌舞伎新報社 版型:半紙本
刊行期間:明治12年(1879)~明治30年(1897)
資料番号:arcBK02-0213-0004 所蔵:立命館ARC.

【解説】
 明治12年(1879)2月創刊。毎月三回のペースで発刊された最初の演劇雑誌である。後には、月10回出ていた時期もある。明治30年(1897)3月に廃刊するまで通巻1669号を数える。
当初の編集人は仮名垣魯文、久保田彦作など。表紙には、「各座俳優狂言役割 感服噺 投書発句」とあるように、各座の脚本や筋書き、俳優の消息、狂言の評判、年代記的な記事、芝居雑報など、興味深い記事が満載。とりわけ、表紙タイトル部に「歌舞伎新報 河竹瀬川新作筋書」と謳うように筋書きや脚本の紹介に大きなスペースを割いていて、それ自体読み物として楽しめるようになっている。
 掲載する号は、第4号で、「歌舞伎十八番之内 勧進帳 興行年表」から始まり、江戸時代の劇界の逸話を載せた「古今感服話」、市村座や春木座の「筋書」の後、「雑報」などが掲載されている。ちなみに、第4号の付録は、中村仲蔵の「絶句帳」が活字化されたもの。
arcBK02-0213aab.jpg 後の号では、何号かが纏まると製本ができるよう、錦絵摺の袋も出していた。
(塩.)