【動画02】関公斬蔡陽

『三国志平話』関公が蔡陽を斬る

「魏将」という旗を持った兵士が二人、左から右へ駆けてくる。一人はいま来た道をふりかえる様子。

つぎに険しい顔をした馬上の「蔡陽」が登場。やはり左から右へ動き、何かから逃げるように後ろを振り返り、追われている様子。

左画面に移ると、さっと現れる関羽。さらに3人の将兵が続き、その勢いが強大であると分かる。

必死で走る蔡陽の表情と、悠然と追走する関羽の躍動感が見どころです。

物語の出来事や時間が右側から左側へと移行するのが、絵巻物の一般的な描き方ですが、時に左から右へ動く図像があります。後者の場合、読者観衆の視界に飛び込んでくるような絵柄になります。これはその象徴的な一枚です。

「関公」という呼称は、関羽が民間信仰で崇拝の対象になっていたことを示し、威風堂々とした姿で描かれています。


国立公文書館内閣文庫蔵『全相平話』五種

至治新刊全相三国志』巻中・7葉図像

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