ボロブドゥール:上層の仏塔その1
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ボロブドゥール
8~9世紀
中部ジャワ州マグラン県、インドネシアボロブドゥールの最上部中央にある仏塔です。その直径は、およそ15mあり、地上のボロブドゥール全体を見渡せる位置からも、この中央の仏塔はよく目立ちます。覆鉢が半球形であるというインド初期仏塔の基本形態はほぼ踏襲されていますが、その末端が少し末広がりとなり、全体として鐘(ベル)のような形状になる点が少し違っていますね。このような形状は、ミャンマーのパゴダ(仏塔)やタイの仏塔にも見ることができるので、東南アジア地域で広く流行した仏塔の形と言うことが出来るでしょう。
なお、この中央仏塔の内部には上下に二室が設けられていますが、現在、内部には何もありません。本来の何らかの納入品があったと推測されますが、それは、19世紀の遺跡整備以前の段階で、すでに失われていたと考えられています。