大光明大戯院説明書(映画) ①

大光明大戯院『秋海棠』説明書

縦18.5cm 横12.8cm、4面

1943年? 大光明大戯院

未整理

三須祐介所蔵

既に説明しましたように、伝統劇など舞台上演において一般に上演プログラムを「戯単」や「説明書」と呼びますが、映画においても同様です。ここでは、映画については「説明書」という呼称を採りたいと思います。

「華影新片特刊」の解説で「特刊」の分類をしましたが、これは「特刊」ではないものの、分類②にあたる映画館が発行した「説明書」です。大光明大戯は、1928年に開業した映画館が不振で廃業後に1932年に改築されて、上海を代表する外国映画専門の映画館となりました。英語名は、The Grand Theatreです。日本占領下においては、第一面(左)にも記されているように華影の直営となっていました。画像は第一面と第四面(右)ですが、表紙には下部に配役表、さらにその下に「擁護参戦 保衛東亜」とあります。大東亜共栄圏を守るために日本の戦争を支持せよというプロパガンダが、人気を博した映画上映の裏にただよう占領下の上海の空気を表しています。

右の第四面は広告面で、衣料品、結核の薬、革靴、料理屋、喫茶店、健康医薬品などの広告が掲載されています。

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