3.1.1.6.現代のチラシ・ポスター
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判型:A4サイズ
上演:令和5年(2023)12月 東京・歌舞伎座
外題:歌舞伎座新開場十周年 十二月大歌舞伎
所蔵:個人蔵現代の歌舞伎公演においても、チラシやポスターは観客と舞台を結びつける重要な宣伝メディアであり続けている。江戸時代の顔見世番付・辻番付が絵や役者名によって芝居の魅力を伝えていたのに対し、現代のチラシ・ポスターでは、高精細な写真やカラー印刷、グラフィックデザインを用いることで、公演の世界観をより直感的に伝えることが可能となった。本作「十二月大歌舞伎」のチラシでも、各演目の主要な役柄が大きく配置され、それぞれの演目の魅力や出演俳優の個性をひと目で理解できる構成となっている。
また、現代の宣伝メディアは単なる上演告知にとどまらず、公演のビジュアルイメージそのものを形成する役割も担っている。役者の表情や衣裳、色彩設計、写真の配置によって観客の期待感を高める構造は、江戸時代の番付や絵看板が果たした役割にも通じるものである。
さらに近年では、その機能の一部がインターネットへと移行している。歌舞伎情報サイト「歌舞伎美人」では、公演情報や出演者、演目解説、チラシ画像などが一覧化され、観客は自宅にいながら最新の興行情報へアクセスできる。江戸時代に辻番付が町なかへ歌舞伎の情報を広げていたように、現代ではウェブサイトがその役割を担っているのである。
このように歌舞伎の宣伝メディアは、絵看板や辻番付からチラシ・ポスター、そしてウェブサイトへと形を変えながら発展してきた。しかしその根底には、芝居の魅力を広く伝え、観客の期待を高めるという役割が一貫して受け継がれている。(戸塚)
