2.2.1.〈3〉瀬川菊之丞

絵師:春章〈1〉
判型:細判/錦絵
上演:天明2年(1782)頃ヵ
配役:〈3〉瀬川菊之丞、〈1〉中村仲蔵
資料番号:shiUY0319 所蔵:立命館ARC。

三代目瀬川菊之丞 宝暦元年(1751)~ 文化7年(1810)12月4日

三代目瀬川菊之丞は、18世紀後半から19世紀初頭にかけて江戸歌舞伎界で絶大な人気を誇った女方であり、江戸随一の名優として知られた。とりわけ「娘道成寺」「石橋」「無間の鐘」「関の扉」などの舞踊劇や、『本朝廿四孝』八重垣姫を得意とし、美貌、気品、そして豊かな色気を兼ね備えた芸風によって観客を魅了した。

菊之丞は大坂道頓堀に生まれ、振付師市山七十郎の次男として育った。若き頃よりその才能は評判となり、江戸の名女方・二代目瀬川菊之丞の遺言によって江戸へ招かれ、安永3年(1774)に三代目瀬川菊之丞を襲名した。以後人気は急上昇し、寛政2年(1790)には市村座・中村座の両座に出演して1850両もの高給を得たという。その人気ぶりから「浜村屋大明神」とまで称えられ、文化5年(1808)には女方として異例の座頭となった。

その舞台姿は勝川春章や東洲斎写楽ら数多くの浮世絵師によって描かれ、当時の人気の高さを今に伝えている。文化4年(1807)には仙女と改名し、路考・仙女の名でも親しまれた。三代目瀬川菊之丞は、まさに江戸を代表する"国宝的女方"であった。(戸塚)

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