3.3.1.1.鳥居派の役者絵
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絵師:清倍〈2〉
判型:細判/漆絵
上演:享保19年(1734) 江戸・市村座
配役:〈1〉市川升五郎、沢村六郎次
資料番号:arcUP3442 所蔵:立命館ARC役者絵を最初に数多く手がけ、その普及に大きな役割を果たしたのが鳥居派である。鳥居派の元祖である鳥居清元は大坂の女方役者であったが、芝居小屋の看板絵も描いていた。貞享4(1687)年に江戸へ移住すると、その子である鳥居清信が劇場看板や役者絵の制作で活躍し、鳥居派の基礎を築いた。この清信や、清信の後に鳥居家二代を継いだ絵師である清倍は、荒事役者の豪快な演技を表現する「瓢箪足」や「蚯蚓描」と呼ばれる独特の様式を生み出し、役者絵の定型を確立した。
本作は、その清倍による細判の漆絵である。漆絵は墨に膠を混ぜて光沢を与える技法で、衣装や髪の黒を艶やかに表現している。画面には市川升五郎と沢村六郎次が描かれており、市川升五郎は後の三代目市川団十郎である。若衆方であったことを示す角前髪や、「むきみ隈」と呼ばれる紅隈など、当時の役者や役柄の特徴をうかがうことができる。
鳥居派は役者絵というジャンルを確立した点で大きな功績を持つ。一方で、この時代の役者絵はまだ個々の役者の顔貌を描き分ける段階には至っておらず、役柄に応じた類型的な表現が中心であった。(宮﨑・戸塚)
