3.5.10.現代のメディアミックス
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現代では、漫画や小説がアニメや映画、舞台へと展開される「メディアミックス」が広く行われている。また、漫画やゲームの世界を舞台上で再現する「2.5次元ミュージカル」も、多くの観客を集める文化となっている。
そして、この流れは現代の歌舞伎においても例外ではない。漫画やアニメ、ゲームなどを原作とする作品が数多く上演されているほか、歌舞伎そのものを題材とした漫画や映画、小説なども制作され続けている。近年の映画『国宝』も、その流れの中に位置づけることができるだろう。
このような動きは、一見すると歌舞伎が現代のメディアミックス文化を取り入れているようにも見える。しかし、本節で見てきたように、歌舞伎は古くから他のメディアの物語や人物を取り込み、また歌舞伎から浮世絵や小説、映画などへと展開しながら発展してきた。歌舞伎にとって、異なるメディアを横断しながら作品を広げていくことは、決して新しい試みではなかったのである。
歌舞伎は四百年以上にわたり、他のメディアと影響を与え合いながら発展してきた。今日見られる多様なメディアミックスもまた、その長い歴史の延長線上にあるのである。(戸塚)
