2 うす雪 清水の段

絵師:清谷(画)
判型:大判合羽摺
制作:文化年間(1818)京都・柏相版
資料番号:arcUP1605

 『新薄雪物語』清水の段を題材に描いた芝居絵。桜が満開の清水の境内を俯瞰的に描き、合羽摺で着色された紅の色が鮮やかに映える。『新薄雪物語』は、仮名草子の「薄雪物語」に正宗、国行、国俊ら刀工の物語を加えて脚色した時代浄瑠璃。上の巻「清水寺花見の場」は、園部兵衛の子・左衛門が太刀奉納のため、清水に参詣し、唐崎伊賀守の娘・薄雪と相愛の仲になる。間を取り持つ籬は、実は左衛門の下部妻平と恋仲である。来合せた秋月大膳は、天下を狙う謀反人で、薄雪に横恋慕しているが、家来藤馬も、籬に横恋慕している。この作品は、清水の段の幕切れ、妻平と藤馬一味の大立ち回りを描いている。